東大数学パトロール(02)

東大数学パトロール(02)

*この記事で扱っている問題一覧*

[2.1] 2020年東大理科

a,b,c,pを実数とする.不等式

ax2+bx+c>0bx2+cx+a>0cx2+ax+b>0

をすべて満たす実数xの集合と,x>pを満たす実数xの集合が一致しているとする.

(1) a,b,cはすべて0以上であることを示せ.

(2) a,b,cのうち少なくとも1個は0であることを示せ.

(3) p=0であることを示せ.

[2.2] 1992年東北大理系(後期)

a1a2anb1b2bnのとき,次の不等式を証明せよ.

(i=1nai)(i=1nbi)ni=1naibi

[2.3] 1967年東大文理共通(2次試験)

aが正の定数,nが正の整数ならば,x0において不等式axn+1+1an>xが成り立つことを証明せよ.

[2.4] 1992年東大理科

abを正の実数とする.座標空間の4点P(0,0,0)Q(a,0,0)R(0,1,0)S(0,1,b)が半径1の同一球面上にあるとき,P,Q,R,Sを頂点とする四面体に内接する球の半径をrとすれば,次の2つの不等式が成り立つことを示せ.

(1r1a1b)22031r223+253

[2.5] 1994年京大後期文理共通

a+b+c=0を満たす実数a,b,cについて,(|a|+|b|+|c|)22(a2+b2+c2)が成り立つことを示せ.また,ここで等号が成り立つのはどのような場合か.

[2.6] 1987早稲田政経

n個の正の数a1,a2,,anがある.ただし,n2とする.

A=a1+a2++an B=1a1+1a2++1an

とおくとき,ABのうち少なくとも一方はnより小さくないことを証明せよ.

[2.7] 1994年甲南大・文

a1,a2,a3,,an0<ai<1(i=1,2,3,,n)であるn個の実数とするとき,次の不等式のうち少なくとも1つは成り立つことを示せ.

a1a2a3an12n(1a1)(1a2)(1a3)(1an)12n

[2.8] 1987年東大理科

nを2以上の自然数とする.x1x2xnおよび,y1y2ynを満足する数列x1,x2,,xnおよびy1,y2,,ynが与えられている.y1,y2,,ynを並びかえて得られるどのような数列z1,z2,,znに対しても

j=1n(xjyj)2j=1n(xjzj)2

が成り立つことを証明せよ.

[2.9] 1984年一橋大

(1) 実数a,b,c,dの大小関係がa>b>c>dであるとき,3つの数ab+cdac+bdad+bcの大きさを比較せよ.

(2) 2n個の実数x1,x2,x3,,x2nの大小関係が

x1>x2>x3>>x2n

であるとする.これら2n個の数を2個ずつからなるn個の組に分け,組にした数どうしの積をつくり,それらn個の積の総和を考える.このとき最も大きな総和が得られる組み分けの仕方はどのようなものか.また最も小さな総和が得られる組み分けの仕方はどのようなものか.

[2.10] 1971年東大文理共通二次

正数xを与えて,2a1=x2a2=a12+12an+1=an2+1のように数列{an}を定めるとき

(1) x2ならば,a1<a2<<an<となることを証明せよ.

(2) x<2ならば,an<1なることを証明せよ.このとき,正数ε1x2より小となるようにとって,a1,a2,,anまでが1ε以下になったとすれば,個数nについて次の不等式が成り立つことを証明せよ.

2x>nε2

[2.11] 1999年東大理科

複素数zn(n=1,2,)z1=1zn+1=(3+4i)zn+1によって定める.ただし,iは虚数単位である.

(1) すべての自然数nについて3×5n14<|zn|<54が成り立つことを証明せよ.

(2) 実数r>0に対して|zn|rを満たすznの個数をf(r)とおく.このとき,limrf(r)logrを求めよ.

[2.12] 2019年名大・理系

正の整数nに対して1,2,,nを一列に並べた順列を考える.そのような順列はn!個ある.このうち1つを等確率で選んだものを(a1,a2,,an)とする.この(a1,a2,,an)に対し,各添字i=1,2,,nについて,aiの値がjであるとき,そのjを添字にもつajの値がkであることをai=jaj=kと書くことにする.ここで

ai=jaj=kak=l

のようにたどり,それらを続けていく.例えば(a1,a2,a3,a4,a5,a6,a7)=(2,5,6,1,4,3,7)のとき

(i) a1=2a2=5a5=4a4=1a1=2

(ii) a3=6a6=3a3=6

(iii) a7=7a7=7

となり,どのiから始めても列は必ず一巡する.この一巡するそれぞれの列をサイクル,列に現れる相異なる整数の個数をサイクルの長さと呼ぶ.上の(i),(ii),(iii)は長さがそれぞれ4,2,1のサイクルになっている.

(1) n=3とする.選んだ順列が長さ1のサイクルを含む確率を求めよ.

(2) n=4とする.長さ4のサイクルを含む順列をすべて挙げよ.

(3) n以下の正の整数kに対してj=kn1j>log(n+1)logkを示せ.

(4) nを奇数とする.選んだ順列が長さn+12以上のサイクルを含む確率pp>log2を満たすことを示せ.

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